挫けそうになったら、何度も読み返したい本『ヘルプ 心がつなぐストーリー』

The Help. Movie Tie-In
文庫の帯に書かれた「強くて、温かな、女友だちのような本」という言葉に惹かれて手に取った『ヘルプ 心がつなぐストーリー』。

1960年代のアメリカ南部。差別的風土が根強く、人々は因習にとらわれている。大学から故郷に帰ってきた裕福な白人家庭の娘、スキーターは、「ヘルプ」と呼ばれる黒人メイドたちから見た雇い主の姿をノンフィクションに描き出してみようと思い、友人宅のヘルプ、エイビリーンに声をかける。白人と黒人が会話をしているところを見られただけでも非難される時代背景のなかで、ヘルプたちはとてもその提案を受け入れようとはしないのだが、ある事件が彼女たちの気持ちを変えていく。一方エイビリーンの親友ミニーは、白人女性のコミュニティから阻害されているシーリアのヘルプになるのだが、これが波乱の幕開けとなる。また、ヘルプたちと関わったことで、スキーターの環境も変化し…

幼いころ、父の仕事の都合で海外に住んでおり、現地の女性にメイドをしてもらっていたことがありました。ちょうど私と同じ年くらいの可愛らしい娘を持つシングルマザーで、かなり苦労をしていた女性のようでした。ほとんど英語を話せなかったので、他の日本人赴任者の家庭では雇いたがるところがなかったのですが、父の会社に勤める現地人ドライバーが、人柄は確かなので雇ってくれないか、と頼まれたのでした。

確かに遠慮がちな優しい人で、仕事は丁寧でした。ときどき娘を連れてくる日もありましたがやはりとてもおとなしい子で、メイド部屋にちんまり座っていたのを覚えています。

母と彼女は片言の英語と日本語、さらに現地語交じりでやりとりをして、いっしょに市場に買出しに行ったり、料理を手伝ってもらったり、うまくやっていたようでした。

私はといえば、一応英語は習っていたものの、日本人学校に通っていたため、現地の言葉は挨拶とトイレどこ?くらいしか知らず、目が合うとニコニコするだけで、特に積極的に関わることはありませんでした。

しかし、母が急病で数日入院することになり、父は仕事でほとんど不在、私が一人家に残されることになりました。不安になり、ひとりめそめそしていると、メイドの女性が、突然ぎゅっと私を抱きしめながら、ほっぺたに何度もキスをしてくれました。いつもは身体的接触をとってくることなどなかったので(たぶん、トラブルになるといけないと思って、距離をとっていたのでしょう)驚いていると、現地の言葉で何か語りかけています。わからないけど、「お母さんは大丈夫よ、心配しないで、泣かないで、そばにいるわ」というようなことを一生懸命伝えようとしているようでした。ママ、とかオーケー、とかいうような言葉が混ざっていました。

そのときのことを思い出しながら読んだ『ヘルプ』。 差別され、危険な目にあいながらも、自分の足でしっかり立って、強く生きている女性たちに励まされました。登場人物たちと離れがたく、読み終わるのが悲しかったほどです。 お話の中の人たちとわかっていながら、スキーニー、エイビリーン、ミニー、シーリア、そしてメイ・モブリーの幸せを祈らずにはいられませんでした。途中でやめられない面白さなので、休日に一気読みがおすすめです!



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