人と犬と夏のお腹のあれこれ

我々IBDは年がら年中お腹が痛いので、夏だからといってどうなるわけでもありませんが(いきなりやさぐれている感じですがそんなことはありません)、この時期お腹を下したり、食欲がなくなったりする人も多いですよね。実は、ペットの犬も同じで、夏はお腹のトラブルが多いのです。そこで、国家認定腹痛士(←うそ)であり、犬関連の知識はひと通りある(←ほんとう)のわたくしが、ハライタ×犬のコラボレーションをしてみようと思います。基本的なところは人も犬も変わりませんが、話をまぜまぜにしてあるので、読みにくかっり気に触ったりしたら申し訳ないです。

夏にお腹の調子が悪くなる理由


冷たいものの食べ過ぎ


冷たいものを食べて、急にお腹が痛くなることがありますよね。あれは、胃の中に食べ物や飲み物が入る→胃から大腸にシグナルが送られる→大腸が反射的に蠕動運動をスタート→お腹痛い という流れです。これを「胃・大腸反射」と呼び、普通の食事でも起きていることなのですが、冷たいものは刺激が強いので、胃腸全体が大きく動きやすくなります。

人は夏にアイスやらかき氷やら食べてしまうし、犬にも親心で氷をあげたりしてしまいますが、お腹が弱っているときはお互いに避けたほうが良さそうです。

大腸炎などを起こしているとき、なるべく食事を減らして腸を休める、というのは、食べ物が腸に届いて刺激になるのを避けることに加えて、この反射による蠕動運動をなるべく起こさないようにする、という目的もあります。


水の飲み過ぎ


熱中症予防にたくさん水分を摂っておきたいところですが、一度にがぶ飲みすると、胃の中がちゃぷちゃぷしますよね。この状態になると、胃酸が水分で薄まります。普通、胃酸は非常に強力で、ちょっとした細菌が口から入ってきても、溶かしてしまうので腸までは届きません。でも、水の飲み過ぎで胃酸が薄まっているところに細菌が入ってきたら、対応しきれないことがあるのです。これが、水分はがぶ飲みせず、ちょこちょここまめに摂取した方がいい、という理由の1つです。喉が渇く前に、ちょびちょび飲んでおくのがいいですね。

犬の熱中症を防ぐために、夏場はたくさん水を飲ませたいところですが、いっぺんに与えるのではなくて、食事に混ぜたり、食間にスープなどをあげたり、いろいろな形で水分補給をするといいと思います。


暑さによる疲労


外の暑さと室内の冷房の温度差や、熱帯夜などで自律神経がうまく働かなくなると、胃では交感神経が強く働いてしまい、胃の血管が収縮して血流量が減り、胃もたれなどが起こります。この暑さでは仕方がないところもあるので、消化の良い食べ物を選んだり、睡眠時間をしっかり確保するなど、いつも以上に気をつける必要があります。

犬の場合だと、例えばドライフードを開封してからしばらく経っていたりすると、油が酸化してお腹に悪くなっていたりしますね。なるべく小さめの袋を選んで、すぐ使い切るように心がけたり、消化に負担が掛かりそうな固いおやつは避けたりするといいかもしれません。


愛犬厨房 おいしさ実感! おためしBOX
ベンチャーバンク (2014-04-10)


お腹が不調になったら



お腹を温める


お腹を温めると、胃への血流量を増やし、胃酸の分泌と適切な蠕動運動を促してくれます。冷房のあるところでは腹巻きやひざ掛けをするとか、ぬるめのお風呂にゆっくり入るとか。ちなみに私はこんなのを愛用しています。






じわっと温かくなって気持ちが良いです。犬にはどうだろう。ちょっと熱いかもしれない。ここまでしなくても、冷房が当たりすぎない場所を作ってあげるといいと思います。意外とあのひとたちはむとんちゃくに冷たいところに寝てて触るとひんやりしてることありますもんね。



乳酸菌について


この記事を書こうと思ったきっかけは、先日ツイッターでコーギー系フォロワーさんたちが、「人用のビオフェルミンって犬に効く?」と話していたことがきっかけです。なのでここがいちばん盛り上がるべきところですね! ひゅーひゅー!!(←無意味)



腸内フローラ

まず、人も犬も猫もみんな、大腸にはさまざまな菌が住んでいます。まるでお花畑のように腸壁いっぱいを覆っていることから、「腸内フローラ」と名前が付けられています。人間の場合は約400種類、100兆個もの細菌がいるそうです。腸内細菌の種類はおおまかに三種類に分けられます。
1.善玉菌(ビフィズス菌や乳酸桿菌など):お腹の調子を改善してくれたり、ビタミン類など有益な物質を生成したり、役に立ってくれる
2.悪玉菌(ウェルシュ菌やブドウ球菌など):腸内の中を腐らせたり有毒物質を作って困らせる
3.日和見菌(大腸菌やバクテロイデスなど):普段は何もしないが、悪玉菌が優勢になった時、悪玉菌の味方をする

これらの比率や、どの菌が多いか少ないか、種類はなにがいるかは、人それぞれ違います。一番多いのが日和見菌で、健康なときは善玉菌が悪玉菌より多いのですが、体調不良や抗生物質を摂取した時などは、悪玉菌が優勢になりやすいです。

赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいるときは、ほぼ無菌状態です。善玉菌も悪玉菌もいません。生まれてからいろいろ摂取して増えていくのですが、ビフィズス菌は母親の腸内にいるものを、出産時に産道を経由して受け取るという研究結果が出ています。帝王切開だとその機会が得られにくいため、生まれてきた赤ちゃんのお腹の状態には、少し気をつける必要があるようです。ちなみに犬だと帝王切開になりやすいフレブル、チワワなども気をつけてあげるべきかと思います。


善玉菌が生きる環境

人のお腹の中で働ける善玉菌は、「人間の腸内」という環境でしか働けず、他の動物の腸内では死んでしまいます。なので、乳酸菌を摂取するときには、本当は、人には人のお腹で生き延びる乳酸菌、犬には犬のお腹で生き延びる乳酸菌を選ぶのが原則です。最近、ヨーグルトなどでも、「お腹に生きたまま届く」というようなフレーズが書かれているものが多いですが、あれは、そういう菌のうち、牛乳という環境の中でも生きられて、しかもちゃんとヨーグルトとして美味しく出来上がる乳酸菌がいろいろと見つかってきたからなのです。この条件を満たすのはなかなか難しいことなのです。

では、「生きたまま届く」と書いていないヨーグルトを食べても意味が無いのか、人用のビオフェルミンを犬に与えても効果が無いのか、というと、そうではありません。口から入って、腸に届いた時には死んでしまった乳酸菌は、腸内で生きている善玉菌のごはんになります。いいごはんを食べれば善玉菌も元気になり、腸内フローラで優勢を保つ助けになります。
なので、”人用のビオフェルミンは、「ある意味」犬に与えても効果がある”と言えます。

しかし、ひどい下痢が長く続いていたり、大腸内視鏡検査で下剤を大量に使ったりすると、もともと住んでいた善玉菌が流れ出てしまいます。抗生物質を長期服用したときも、腸内細菌が全体的にダメージを受けます。このようなときは、生きて働かない乳酸菌を摂っても、食べてくれる善玉菌がいないので、状況は改善されません。やはり、状況に適した乳酸菌を摂取しなければなりません。

人の場合は、さまざまな乳酸菌製剤がありますし、抗生物質を服用するときは抗生物質に耐えられる乳酸菌をお医者さんに出してもらうことができます。

動物の場合は、知るかぎりでは、犬用や猫用など専用乳酸菌を獣医さんで処方してもらえるということはないのではないか、と思います(基本的に、人用のお薬を体重に合わせて処方しているのではないでしょうか)。あまりにも細かすぎるからねえ。

でも、サプリメントとしてならば、元気な犬や猫のお腹から分けてもらった善玉菌を培養して作ったものがあります。


乳酸菌Daワン
乳酸菌Daワン
posted with amazlet at 14.08.05
ズーム (2005-05-25)
売り上げランキング: 25,469
乳酸菌Daニャン
乳酸菌Daニャン
posted with amazlet at 14.08.05
ズーム (2005-05-25)
売り上げランキング: 130,973

自分ではワンしか使ったことないし、ワンの話しか聞いてないのですが、かなりいいみたい。犬には犬の、ってことなのでしょうね。もし、これでもうまくいかない場合は、本犬のうんちから、善玉菌を抽出、培養して作ってくれるサプリメント、というのがあります。→オーダーDNA乳酸菌
これはちょっと高価過ぎて、周囲に経験者はいませんでした。でも、原理的にはこれがいちばんピッタリ来るんでしょうねえ。ただ、高いよね。

ちなみに、潰瘍性大腸炎向けに慶応大学病院で行われている臨床治験に、こんなのがあります。
腸の難病、健康な人の便で治療? 慶大病院が臨床試験
草はみさんのところにも記事がありました。慶応大医が潰瘍性大腸炎への「便微生物移植」を実施
テレビでこのニュースの解説を聞いた人によると、一緒のものを食べている家族か、母親のものがいいそうです。ここまでに書いてきた腸内フローラの話を理解すると、なるほど、と思いますね。

というわけで、昨日うっかりアイスを食べて、外出先でお腹が痛くなって大変だったきなこママがお送りしました!!

関連する記事


スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク